FAZIOLI F308

フルコンと言われるフルコンサートグランドで280cm弱。それより30cmも長いこの超特大ピアノFAZIOLIのF308。

もうほとんど幻のピアノです。

日本に於いては、ホールでは唯一福井県美浜町のナビアスホールに納入されており、あとわずかに個人所有で存在するそうです。

ブーニンもお持ちだと聞いています。

8月のコンサートのため、事前に試弾させて頂く機会に恵まれました。

弾いてみると・・・

ショパンバルカローレの最初の低音を出した途端、予想をはるかにしのぐ音の響きに耳を奪われて、しばしフリーズ。。。これはすごいと思考が停止してしまい、次なる音を忘れてしまったのでした。

断じて、私の名誉のために言い訳をするものですが、アンプがとんだわけではなく、私の魂が空中の響きにとけ込んで一瞬彷徨ってしまったというべきか、これまでにない響きに耳も心も奪われたのでした。

子犬のワルツを弾くと、軽やかに、音に手が吸い付くのか、はたまた手に音が吸い付いてくれるのか、ピアノがどんな敏感なタッチの切り替えにも面白いように応えてくれます。こんなすごい感覚は初めてです。

加えて内部の仕上げの美しさ。

枠の内側はポプラの模様でしょうか。バーズアイと言われる木目が施されています。ゴールドのフレームは心もち赤みがかっているよう。

響きのふくよかさ、温かさ・・・弾き手によってどんな変化があるのか、それはまだ未知なるところです。

すごい魅力!いやもうこれは楽器の魔力でしょうね。

楠原祥子