さて、GWも最終日。お天気にも恵まれて、よい休暇を過ごした方々も多かったことでしょうね。

うらやましっ。。。

あれっと気がつけば、我が家の庭はすごい様相です。パンジーやアネモネは干からび、蕗がそこかしこに生えて、はこべや雑草とが私が植えた花と絡まってジャングル化し、いよいよ訳が分からない状態ではありませんか。

伊達パパによれば、「これから夏まで雑草との闘いで地獄です、はい。」その通りですね~。

ガーデニングも少ししたものの、しかし私はそれどころではありません。

夏のコンサートの準備を始めるために、汐留ベヒシュタインサロンに打合せに。8月18日DuoGranatのコンサートについてです。京都公演のちらしはほぼ出来上がっていますが、東京でのコンサートについてはこれから。共催・協賛のお話を詰め、そして早速、ポーランドのTamaraにFacetimeでコール。

時代は変わり、今は海外の友達に、ただで、しかも顔を見ながら話せる!距離やどこにいるかなんて、まったくどうでもよくなってしまいました。長いことショパンの時代とさして変わらない“手紙”の時代が続いていたなんて、それが今となっては不思議に思えます。

いやいや、しかしっ、それに感激しているどころではありません。

ショパンフェスティバル2017のオープニングコンサートが近づいてきて、ワルツの日々です。う~ん、ワルツ、ワルツ、ワルツ。ひとさらいしてピアノの周囲をひとめぐりして、またワルツ。

美しいサーカスで世界中を席巻しているシルク・ド・ソレイユの芸術性は、間違いなく絶え間ない訓練と意志の力によるものだろうなぁ。。。と、『子犬のワルツ・パラフレーズ』をさらっていて思ったりします。今回のプログラムの中に入れているのです。

この『子犬のワルツ・パラフレーズ』は、ショパンの直系にあたるアレクサンレル・ミハウォスキによる編曲。ショパンの弟子の多くは貴族の子女でしたが、カロル・ミクリは数少ないプロピアニスト。ミクリ版で現在まで名を残しています。そのミクリに師事したのがミハウォスキですから、ショパンの孫弟子にあたります。

ショパンの即興演奏には誰もが感嘆したといいます。

詩人のハインリッヒ・ハイネの言葉によれば・・・

「ショパンはがピアノに向かって即興演奏を始めると、誰もが例えようもない歓喜の情に包まれる。彼はポーランド人でも、フランス人でも、ドイツ人でもない。モーツァルトやラファエルやゲーテのように、さらに高みにある高貴な生まれなのだ。ショパンの本当の祖国は、恍惚たる詩の王国なのだ。聴いていると、愛する祖国から誰かが訪ねてきて、祖国を留守している間におきた珍しいことを語ってくれているような気がしてくる。」

ポーランド貴族ザレスキは・・・

「ショパンの家に4時に行ったら、青白く疲れた顔をしていましたが、機嫌よく温かく迎えてくれて、すぐにピアノに向かいました。中略

最後は私のために懐かしくも心痛む即興演奏をしてくれました。ドゥムカ(悲歌)の涙を歌い、国家『ポーランド、未だ滅びず』を歌いながら、闘いの様子から子供や天使の声に至るまで、実に様々な光景を聴かせてくれたのです。この即興演奏について、すべてを書いたら、一冊の本が出来上がるでしょう。」

作家バルザックは・・・

「ショパンは崇高なテーマを見つけると、思いつくままに装飾音をつけて演奏し、ラファエル的な苦悩と完璧さもあれば、ダンテ的な激情とスケールの大きさでリストを思わせることもある。パガニーニの様式がよく似ているだろう。これほどの完成の域に達すると、演奏家は詩人の高みに引き上げられる。」

「ショパンは音楽家というよりは、手で触れることのできる魂なのだから、たとえ単純な和音しかなくても、聴く者に語りかけてくる。」

ソフィー・レオは・・・

「ショパンを聴いたことがなければ、誰もショパンのような人がこの世に存在するとは想像もつかないし、人間の魂が、このような歓喜を肉体から解き放つとは考えられないでしょう。ピアノを弾いているようには見えない。楽器など余計なものに思えます。フルートのささやきを感じさせるその音は、エオリアン・ハープのこの世ならぬ響きに聞こえるのです。

サロンでも演奏会場でもショパンは心静かに、慎ましやかにピアノに歩み寄り、用意された椅子がどんなものでも不平を漏らすことはありませんでした。そして何の前置きもなく、魂の息づかいを感じさせるように演奏が始まるのです。グロテスクでなく、荘重な調べを奏で、技巧ではなく芸術を味わせてくれるのでした。」

ここまで言わせるショパンの即興演奏とは、いったいどれほどのものだったのか。

その一つの手がかりかもしれない、直系であるミハウォスキによる『子犬のワルツ・パラフレーズ』をどうしても弾きくなったわけなのです。師であるミクリは、ショパンの即興を何度となく聴いていたはず。そのミクリは、当然ミハウォスキにショパンの即興演奏について語っていたはず。

ミハウォスキが楽譜にしてくれたが、もうどれほど貴重なことか。

ミハウォスキ自身によるこの曲の録音があるので、お聴き下さい。もちろん書き残してくれた楽譜通りでなく、さらに即興を加え、途中、およっ?とか、意味不明のところもあって耳が吸い付くのですが、それもまた即興の醍醐味ですよね!

https://www.youtube.com/watch?v=spjNfk8usuI