作曲家・三善晃との密な2時間。。☪️

ピアニストの浅井道子先生、ソプラノの赤坂有紀さん、私で三善晃作品を演奏し、聴衆の皆さんと共に、その懐に深く抱かれる2時間になりました。

Miyoshiピアノメソード講座ではありながら、指導法からは離れて三善作品と接した2時間。。。

ソプラノの赤坂有紀さんが浅井先生の伴奏で歌曲3曲、私がメソード5、6巻を全曲演奏しました。

メソード第5、6巻は、中期発展の巻。12巻あるメソードの中でも、この2巻は目的がはっきりした積極的な巻で密接に連動しています。

5巻の最後はメソード看板曲『猪たちの祭り太鼓』。日本人ならではの祭りだわっしょい!を音にしています。

6巻の最後を飾るのが、2曲の変奏曲です。着せ替え的な音形の変奏曲と、音楽が変容する変奏曲。

着せ替え的音形変奏は、スーツ→セーター→そして燕尾服にでも着替えるようなもの。

変容する変奏は、ある女性が年月を経たら見違えるほどに成熟し、さなぎから蝶々への変化を遂げたと言えばよいでしょうか。

チャイコフスキーのオペラ『エフゲニ・オネーギン』のタチアナを思い起こします。

青春時代に近所住まいのオネーギンとタチアナ。タチアナはオネーギンに憧れ、恋の告白の手紙を書きます。意にもかけず足蹴にするオネーギン。年月が過ぎ、放浪の旅から戻ったオネーギンがある舞踏会に出ると、ホストの妻をみて息をのみます。「タチアナか?」

そこにいたのは、伯爵と結婚し、真紅のバラのように馥郁たる美しさを湛えたタチアナ。変奏曲のテーマの変容はそのようなものでしょう。

小難しいことはこれまでも講座で言えたためしはありませんが、今回は特に全曲を演奏することで、音で三善作品をご理解頂きました。

そして、浅井先生が録音でご紹介下さった、24声‼︎‼︎の合唱曲『狐のうた』は鮮烈でした。かすかなトーンクラスターから、徐々に立体的に成形されていくアプローチに圧倒される作品。

Facebookにもこの内容を投稿したところ、大学の定期演奏会でこの曲を歌ったという渡辺ゆき子さんがコメントを下さいました。

ちょっと面白いコメントのやり取りなのでこちらにも。

「『狐のうた』は大学の定期演奏会で歌いました!まだ三善晃先生がご存命で、練習にも一度来て頂きました。難しかったけど、楽しかったです。楽譜まだあるかな〜? 途中で、アイダツナオハニンニククサイ〜 とブルースみたいな節が出てきます。懐かしい〜☆」

「そうですか!生き字引でいらっしゃいますね。楽譜は買えるようです。アイダツナオハニンニククサイ〜 ??という歌詞ですか?」

「私が歌った時、楽譜は三善先生のご許可をとりコピーでしたが、手書き譜でした。大きなスコア譜五線紙に、それはそれは細かく書かれていました。沢山の狐の声の途中でいきなり、アイダツナオハニンニク臭い…..いきなりそういう歌詞が出てきたように記憶しています….。」

「笑!いきなりですか。それはちょっと驚きです。あの冒頭のトーン・クラスターからは、なんでニンニク臭さが歌詞になるのか想像もつきません。」

「そうですね。歌う方も訳がわかりませんでした。会田綱雄さん作詞だったと思います。長い年月忘れていた『狐のうた』….。あまり懐かしくてコメント入れさせて頂きました。」

醜聞 〜童声合唱・語り手・ピアノのための『狐のうた』☪️ 

大変ありがたいコメントを頂いて感謝です。

かなり困難な曲と思われますが、合唱コンクールでは上位グループのレパートリーになっているのでしょう。

今回浅井道子さんとのステージで、一段階三善晃を掘り下げることができました。

嬉しいことに多数ご来聴頂き、誠にありがとうございます!

楠原祥子