ベアタ・ビリンスカ先生のレッスン The Lesson with prof.Bilinska.Lekcje 3

齋藤まりのちゃんが12月初旬に大きなコンサートを控えているため、ちょうどショパンコンクールin Asiaの審査のために来日されている、ベアタ・ビリンスカ先生のレッスンを受講しました。曲はショパンのロンド作品16です。

ビリンスカ先生はヤシンスキ門下で、ツィメルマンに始まりスーパースターひしめく中でも特に優秀で、現在カトヴィツェ音楽院教授でいらっしゃいます。

さて、ロンド作品16はなかなか手ごわく、若い時代のショパンの作品にみられるブリリアント形式で書かれ、序奏からすでにかなりヴィルトゥオーゾ的です。激しい転調が次から次へと繰り返され、弾くと、その実に巧妙な転調が魅力でもあり、危険な落とし穴でもあったりします。

まりのちゃんは、この曲を何度かステージで弾いているので、難曲でありながらとても安定して弾けています。しかし、初めてその曲に接した時の感動や喜びをやや失いつつあり、いくらか冗長になってきて、この曲に色合いや輝きをどうやって持たせたものか・・・と、この数週間一緒に考えてきました。

そして。。。Lekecje 1

ビリンスカ先生のレッスンは、まさにどんぴしゃり、新鮮な風を吹き込んで下さるものだったのです!

どのようにかと言いますと。。。

テーマの音型の個性を最大限に引き出すこと。スタカート、ヴィブラート、ルバート、ニュアンスのための小さなクレシェンドとディミヌエンドをさまざまに組み合わせて使うこと。

スタカートでも、鍵盤を引っ掻くようなタッチと、バウンドするタッチ。

人の声で歌うようにルバートを加えてフレージングを長くとること。

第2の声部として、下の旋律も時々浮かび上がらせること。

ピアノの音色を七変化させるために倍音を得る方法。

鍵盤上を移動する時に、指先が必ず鍵盤に向いていること。

ビリンスカ先生はそういったことを惜しみなく、踊りながら、指揮しながら、私たちに伝えて下さったのでした。興奮し過ぎて、鉛筆削りを落としてごみを散らかし、消しゴムを鍵盤の中に落とし・・・でもおかまいなし!

Lekcje 2「これはヤシンスキの教えよ。」と言いながら、付点音符の弾き方を私たちに伝授!

すっかりビリンスカ先生と気が合い、もう名前で呼び合うようになりました。

生き生きと、ライブリーなレッスン。よい条件が重なってこその貴重な体験でした。

そしてコンクールの審査もご一緒しました。委員長は多美智子先生。厳しくも、母のようにお慕いしています。他の審査員の先生方もすでに知遇を得ている方がほとんどです。スムーズに審査も進みました!この写真は、多先生から「えぇ、これなら載せてもいいわよ。」との御許可を頂いて掲載!ショパコンinAsia審査