長く親しくして頂いている須藤さんがご自宅を新築されました。

セキスイハイムだそうで、1階は広々としたリヴィング+キッチンで、2階には寝室だけというシンプルな造り。

1階は2階まで吹き抜けになっているので、広々として気持ちがいいです。線路がすぐおとなりで電車がよく通るのにもかかわらず、3重サッシになっているので、ほとんどその音は聞こえず、気がつかないほどです。ゴールデンリトリバーのピノくんも、悠々自適の生活をされています。

住まいは進化したなぁ。。。と感じます。

私の実家は春日町で、京成電車がすぐそばを走っていて、家の敷地が低く、線路が土手の上にあったせいもあるかもしれませんが、電車の音はすごく聞こえました。

日本は住まいについてはヨーロッパよりずっと遅れているのでは?と感じることが何回かありました。

例えば、洗濯機。

ドラム式洗濯機は今でこそポピュラーになりましたが、私がポーランドに留学した時、つまりもうかれこれ35年以上前のことなのに、ポーランドは共産国時代でそれこそ日々の物資に困るような時勢だったのに、すでに洗濯機はキッチンのセットに組み込まれてドラム式洗濯機が置かれていました。それは水の温度が最初に設定できるものでした。乾燥機はついていなかったと思います。

15年ほど前に日本にスリコフスキ先生ご夫妻が滞在されていた頃、奥様のアンナさんが、

「日本は何でもすごく進んでいるのに、洗濯機はおどろくほどプリミティブ(原始的!)ね。がらがら回しているだけ。ポーランド製でも温度設定ができるのに。」と仰ったことがすごく耳に残りました。

日本の洗濯機はがらがら回しているだけ・・・確かにそうだわ。

その他に、水回りでも感じたことがあります。

最近ポーランドで比較的新しいお宅に伺うと、シャワールームやトイレなど水回りがすごくステキで、機能性も優れているし、デザインもいいし、使い勝手もいいと3拍子そろっています。

トイレは便器が床から浮いているタイプ。

シャワー室は、床には段差がなく入ることができて、ガラスドアで、水は上手くドレーンに流れ込むという仕組みで、床は滑りにくいタイルと言うことなしです。

イタリアやフランスのデザインが多く利用されているとのことです。

住まいについては、日本よりずっと長い伝統がありますから、私たちの方がしんまいで、全然遅れをとっているのでしょう。

すっかり話が住宅の話になってしまいましたが、きょうのテーマは・・

その新築の須藤邸でのプライベートコンサートです!

須藤夫妻は音楽がとてもお好きですけれど、ピアノを弾かれるわけではないのです。お嬢さんのまみちゃんとご子息の信くんに私はピアノをお教えしていました。

新築にあたってグランドピアノを置きたいと考えられ、ヤマハトランスアコースティックピアノを銀座店で購入されたのでした。

このトランスアコースティックピアノは、サイレントピアノの進化版で、ピアノは普通に弾けて、そうではないサイレント機能を使用する時や、録音されている音源を聴く際に、響板を使用して音を出す仕組みです。

例えば私が二番町に置いているピアノは、ヤマハC3タイプでサイレント機能を付けています。サイレントで弾くと、タッチはサイレントなしで弾くのとほぼほぼ近いですが、音は響板は使用せずヤマハのフルコンの音が出てきます。

また機械の話になってしまいました・・・

最近、機械のお勉強に長く時間を使っている?!せいで、妙にメカ方面に傾いているのかもしれません。これはもう私の人生において革命的です。

話を戻しましょう。プライベートコンサートです。

私たち3名は、ヴァイオリンのマドカさんと、チェロの丸山さんとで、須藤家のピアノの弾き初めコンサートをさせて頂きました。

曲はドビュッシーのピアノトリオ全楽章。

2階まで吹き抜けですから、コンサートに最適の環境で、音響は素晴らしく、ピアノは到着したばかりのほやほやでまだそれほど鳴りませんが、でもちょうどよく響きました!

ドビュッシーのピアノトリオは、こういうシチュエーションにはぴったりです。旋律ラインも美しいし、2楽章は軽やかで、3楽章はたっぷり歌わせて、4楽章はアップテンポで〆るという構成です。

2楽章はそうとは書いていないが、きっと『パスピエ』ではないかしら。ベルガマスク組曲の第4曲と同じタイプです。3楽章はチェロの大ソロで始まり、途中ピアノが大きなクライマックスを作り上げます。4楽章はピアノの連打が曲を前へ前へと推し進めていくブルドーザー役。

このところ何回かステージでも弾いて、だいぶ弾き易くなってきたことを感じますが、でもそれこそは危険なサインでもあります。

なぜなら、だいたい弾き易くなってくるとダレる。

録音を聴いたら、やっぱりね!ダレ気味です。

弦楽器に沿うとダレる。ピアノに沿うと味わいが減る。この繰り返し。

それぞれの楽器の特性に音楽が向いてしまう傾向があるのですね。

結局私は、そのような過程を繰り返すことに、音楽の最大の価値を見出しているのだと思います。

それに時間を使うことは何も惜しくないし、夜寝るよりそれを調整している方が楽しいし、それが身体に染み付くまで繰り返しているのです。

アンサンブルでそのために言い争いになっても、人間関係のひびにはならない人とだけ一緒に弾くということになります。

さて、それはともかく、須藤家で楽しかったのはその後でした!

お料理上手な須藤さんの奥様のお手作りのターキーの丸焼きや、須藤家名物のイベリコ豚もも肉の生ハム1台を削ぎ切りで好きなだけ頂き、さらにドイツ製オーブンのゲグナウのピザ用高温板で焼いたピザ!これがまたとっても美味!

翌日の学校の準備がなかったら、きっといつまでも居続けて。。。たんまり食べて。。。ショパンのワルツでも弾かせて頂いて、響板を響かせて立ち上るジャズの響きも楽しませて頂いたかも。。。と思います。

Facebookに掲載したら、「大切にしたいことですね。」というコメントを頂いて、このような須藤家とのよい関係は、これからもずっと大切にしていきたいなと思った次第でした。