お世話になっている調律師の名取孝浩さんより。

新型コロナ対策について全国の調律師仲間が鍵盤についての危惧している事を聞き自分が知り得る中の対策を書いてみます。

鍵盤をアルコール除菌シートで拭いたり直接アルコールスプレー除菌等をすると他のプラスチック製品同様にヒビが入りますが、これはケミカルクラックという現象です。アクリル鍵盤は特にアセトン、ベンゼン、エタノール、メタノールが危険です。

直接指で触れる所なので除菌をしたいと思われるでしょう。

コロナウイルスはエンベロープを壊せば破壊できるそうです。イクラみたいに膜があり、その中にウイルスの核があるのですがエンベロープと言われる膜を破壊する事で不活性化します。
それが可能なのは62~71%のアルコールや過酸化水素0.5%が含まれる漂白剤、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用漂白剤で表面を消毒すれば、コロナウイルスは1分以内に不活性化するそうです。

しかし鍵盤上でコロナウイルスが存在したら2〜3日は危険ですので現在手に入るものでPH中性でしか存在出来ないウイルスを酸化・アルカリ化させる事でエンベロープを短時間で破壊できるのもとして僕が自己責任でお勧めしているのが強アルカリ水です。

これはPH12以上の水です。これをキッチンペーパータオルみたいなものにつけて鍵盤を拭って捨てて下さい。布だと万一残ってないとも限りませんので使い捨てがいいと思います。

レッスンのインターバルを出来たら15分程度空けていただき、窓を開けて換気し強アルカリ水で鍵盤を拭きます。

アルコール除菌スプレーは手に使うには問題ありませんが、鍵盤に触れるまえによく乾燥させて下さい。アルコールはあっという間に揮発しますのでペーパータオルを用意してあげたら安心です。

以下がポイントです。
アルコール等を塗布するとピアノ鍵盤はケミカルクラックを起しヒビが
入る原因になります。

ウイルス対策で手をアルコール除菌するのは乾かせば問題ありません。

ウイルスのエンベロープを破壊する方法は様々ありますが、鍵盤に於いては側面掃除でも以前から使っている強アルカリ水も有効です。

強アルカリ水はセスキ入りとか重曹入りとか掃除向けに添加物が入っているものがありますが残留物の無い水だけのものにして下さい。

タンパク質を溶かす性質がありますので直接手の消毒には使えません。

ウイルスの専門家では全くありませんので民間療法のような投稿を躊躇していましたが金辺幹男さん、加藤孝治さん、吉川武文さんはじめ全国の調律仲間達が自分達に出来る事として話し合ってこの様な拙い文を書きました。科学的根拠はそれぞれの方がネットで調べられる程度の事ですが、多数の方が触れるピアノ対策としてお読み頂けたら幸いです。

以上、名取さんから情報を頂きました。

以前名取さんとお話した時、鍵盤は固く絞ったタオルで2度拭きがよいと聞きました。これは基本で変わることはないはずですが、よりウィルス対策として強力な手段で、しかも鍵盤に安全なのが強アルカリ水を使うことですね。

手に入りやすい強アルカリ水は『水の激落ちくん』。

みなさまもぜひどうぞ!