昨日のポーランドvs日本の試合は、ポーランドは予選敗退こそ決まっていたものの、日本に勝ってまぁどうにか面目がたって国に帰れることになり、日本は日本で決勝リーグに進むことができ、多少後味すっきりしないところもありますが、いいようにおさまりがついたということですね!

さて2年ぶりのバンベルク交響楽団の来日公演🎶 バンベルク響の音を心待ちにしていました。

ポーランドサッカーチームのエースはLewandowski 。こちらバンベルク響のLewandowski 夫妻です。ボグダンは第1ヴァイオリン、ザジーはヴィオラ、もう20年来のお付き合いです。

今回のプログラム、前半はユリアンナ・アヴディエーワのピアノでブラームスピアノ協奏曲第1番!

あえてステージのすぐ左上の席で聴きました。ファーストのボグダンは頭だけ見えて、ザジーのことも背中から眺める感じですが、これはやむを得ず。

目的は、アヴディエーワがどんな身体の使い方をしているか、どんなペダリングをしているかなどをつぶさに観察することです。

やっぱりすごい。腕も足も自在に大きく位置を変えながら使って、正確な打鍵によって豊かな音量を出す!

薄いスミレ色のロングジャケットに黒のパンツスーツで、意表を突くその色は、オケの中にあって映えてとてもスタイリッシュでした!

 

後半はドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』。ボヘミアンな色合いに染まります。

指揮のフルシャはチェコ人ですものね。この人の振りはかっこいい。38歳にしてバンベルク響の音楽監督!

そうして2楽章です。。。。

コール・アングレ(イングリッシュホルン)のあのメロディ、♩遠〜きや〜まに陽は落〜ちて〜♩の部分がきました。

恍惚の境地。。。。。

長い交響曲の、あの旋律だけを吹くために奏者がいる。全身全霊をあの旋律だけに捧げている。

そうして『家路』のメロディは芸術になるのですね。

『新世界』は時々聴きたくなる交響曲で、そういう時はベルリン・フィルのデジタルコンサートホールで観ています。

マリス・ヤンソンス指揮とドゥダメル指揮のがあり、私は断然ヤンソンスの指揮が好きなのですが、どちらも第2オーボエ奏者のコールアングレ持ち替えで吹くバージョンで、もちろん素晴らしく吹いていますが、この旋律のためにだけ奏者がいるわけではありません。

今回のバンベルク響の演奏バージョンは、このメロディ専属のオーボエ奏者がいるのです。日本人のYumi Kuriharaさんが担当されていました。他の二人のオーボイストとは少し離れた位置にいて、本当に全楽章を通じてそこしか吹きません。

2楽章が始まると、床に用意してあったコップの水を少し飲んで備えています。始まる直前にもまた水。

コールアングレはオーボエより太く渋い音色。あのメロディにはこの楽器でなければならない必然性がありますね。

たそがれ時、一日の農作業を終えてようやく家路につく。。。

歌詞はドヴォルザークのものではないのでしょうけれど、遠くアメリカから祖国チェコに思いを馳せる心が歌い上げられて、なんとも言えない切なさがこみあげてきます。

ボグダンによれば、本番もよかったけれど、リハーサルの時はマジカルな美しさだったと。

ザジーによると、Yumiさんは一日どこへも行かず、ただその旋律のために精神の集中をはかって過ごしていたとのこと。

新世界といえばこの大ソロなのですから。。。それはそうでしょうね。

大役を終えられて、3楽章からは表情が和まれたのがわかりました。

 

終演後、例によってボグダンとザジーとサントリーホール向かいのオーバカナルで積もる話に花が咲きました。

二人の娘で警察官のフリデリカは、最近な〜んと馬を飼い始めたそうで、いったいどうやって飼っているんでしょうか。林の中を馬を連れて歩く写真を見せてもらいました。立派な大きい馬!

ボグダンは民俗音楽にも精通していて、7月にはポーランドで行われる民俗音楽祭にバンベルク近郊の民俗楽団と弾きに行くそうです。

「え?いつから?どこで?」

「Jelenie Goraだよ。シロンスクだね。7月初めにあるんだ。」

私が行く時期とは少しずれるのが残念。

次に来日する時には二人と一緒に弾きたいなぁと思います。以前にチェロのエドゥアルドと共演したことがありました。

ボグダンは次の来日公演後くらいに定年がくると話していたし、なんとしても実現させよう!

楠原祥子