ワルシャワ滞在2日目です。

今日はショパン音楽大学の練習室でさらっています。室内楽教授のマチェックが予約しておいてくれました。

しかし。。。

入口の鍵管理のおばさんのところでストップを命じられます。

「ピオトロフスキ教授が来ないなら鍵は渡せません。」と頑として口をへの字に曲げて岩と化す鍵おばさん。

「ここの卒業生です。」だから何なの?と言わんばかりの顔のおばさん。

「電話して話してみて下さい。」

「あなたの携帯から電話して。」

「これは日本の携帯だからここでは使えないわ。(ちょっとウソ)」

押し問答を経て、ピオトロフスキ教授と話した鍵おばさんから何とか借りました。

この職務に忠実な鍵おばさんは、大学のセキュリティをしっかり守っているのだ、と思えば憎めないというもの。

ようやくレッスン室へ。

2階のこのレッスン室からは裏手にある広い公園が見渡せて、とても気分爽快です。

その向こうは土地がヴィスワ川に向かって低くなっているので空が広い。

いつもだったら楽器の音が聞こえてくるはずですが、今日は夏休みでだからか静かです。

この部屋は偉大な声楽家を記念した声楽科の練習室。

この部屋を使ったのかどうか、そこははっきりしませんが、その歌手が活躍していた当時の写真の数々が貼られています。著名な方だったと思いますが、お名前を忘れました。

日本では、少なくとも桐朋学園では練習室は単に練習室。小澤征爾の指揮部屋、堤剛のチェロ部屋、三善晃の作曲部屋、林秀光のピアノ部屋などというものはありません。

でも、あったらいいのではないかしら。

ヨーロッパの音大では、おそらくどこでもレッスン室に偉大なアーチストの名前を冠していると思います。ロシアのサンクトペテルブルグ音楽大学のレッスン室も、著名なピアニストの名前がついていたことを覚えています。

レッスン室に入るたびに粛然とした気持ちになるし、この人のようになりたいと思いながら練習できるのだから、さらに高みを目指せるかもしれません。

ワルシャワの夏! ショパン音大で練習できるなんて、幸せな時間です。

楠原祥子