ショスタコーヴィチのピアノトリオをずっと弾きたいと思っていました。

ショスタコーヴィチは1906年生まれだから、ストラヴィンスキーの『春の祭典』の初演の頃にはまだ7歳の小学生。新世代??、というのもおかしな話ですが、ムソルグスキー、チャイコフスキーに始まるロシア人作曲家界においては、かなり新世代に属する作曲家です。

ムソルグスキーは1839年生まれ、1881年没。ショパンが死んだ年に生まれてきた!

チャイコフスキーは1840年生まれ、1993年没。つまりこの二人は19世紀の作曲家。

ラフマニノフは1873年生まれ、1943年没。時代をまたいでいる。

ストラヴィンスキーは1982年生まれ、1971年没。ラフマニノフより若いことに今さらながら驚きます。

プロコフィエフは1891年生まれ、1953年没。時代をまたいではいるけれども、活動は20世紀。

カバレフスキーが1904年生まれ。1987年没。ショスタコーヴィチと同世代で、ロシアを代表する20世紀作曲家。

ショスタコーヴィチは1929年第1回ショパン国際コンクールに出場しているのだから、優勝したレフ・オボーリンと同年代ということでもあります。

ショスタコーヴィチの曲は同音連打がものすごく多くて、それが行進曲風な兵士の足取りにも聞こえるし、前進!を表現しているように聴こえます。

それと半音階、それもただの半音階ではなくて、2音ずつタラ、タラ、タラと進行していきます。

音や作風からはショパンとは無縁にしか聴こえないけれども、どうして、どうして、ショパンと関係付けするものは、あります。『24の前奏曲』です。

当然ショパンに影響を受けて作曲しているのですが、調性順もショパンと同じ5度圏を採用しています。

さて、ピアノトリオに話を戻しましょう。

1番も2番にも惹かれていましたが、1楽章形式で完結している1番なら13分程度で手掛けやすいということもあって、より多く聴く機会もありました。多くの著名なアーチストも弾いています。

そして私たちも合わせ中です!

1番は2番のような熱っぽさはないけれども、堪えている美しさがあります。第1テーマと第2テーマは、まったく違うのにどこか似通ったものがあり、何かに堪えていると私には感じられます。

第2テーマの出だしは、ヴィーナスの誕生を思わせる無垢な美しさ。ハ長調だからこその澄んだ響き、ハ長調でしか表現できないテーマ。

展開部には短いけれども緊張するフーガもあります。

ピアノは最高音の音域を駆使していて、鍵盤の右端をこれでもかと弾いて、最高音からいっきに低音域に瞬間移動するところなど、腹筋や体幹を鍛えておかなかったら、えっこらせっという感じになって、かっこよろしくないに違いありません。

ソナタだから全体の構図はつかめても、弾き慣れていない作曲家の曲は、書法や調性の変化が手の内に入ってくるまでにどうしても時間を要して、いえ、もしかすると私だからかもしれませんが、今回も、手よりも頭がつまづく箇所がいくつかあります。

でもショスタコの世界を知ることは、現代ロシアの歴史に足を踏み入れることにもなり新しいことへの第1歩。

何よりも、いつかは弾きたいと思っていた作品を3人で音にできるのです!

まず第1回目のお披露目は、12月24日豊洲文化センターホールのクリスマスコンサートで。

来年11月にはトリオリサイタルをするので、そのための準備でもあります。

幸いヴァイオリンのマドカさんと、チェロの丸山さんとは気も合い、共通項は音楽バカなことでしょうか。

音楽のハナシをしている他は。。。せいぜい食べ物のハナシ。

ユーハイムのバームクーヘンが好きなことも共通項で、丸山さんによれば、二子玉の高島屋には店全部がバームクーヘンで、椅子もバームクーヘン、照明もバームクーヘンのティールームがあるそう。へぇ、よくそんなもの見つけたわね~、と合わせの合間に盛り上がります。

ガイ・ブラウンシュタイン(ベルリンフィルコンサートマスター)のトリオによる演奏