高関うららさんのお誘いで、シマノフスキ没後80年の講演とコンサートを、芸大第6ホールで聴きました。

まず講演は、ポーランド音楽出版PWMの編集長、Dr.Daniel Cichyチヒ博士による「シマノフスキの遺したもの」。

代表作、作風を生涯を追って画像とともに解説され、非常に理解しやすくまとめられたものでした。

通訳は重川真紀さん。シマノフスキ研究者です。

コンサートは、現在、芸大第10代学長の澤和樹先生と、ポーランド人ピアニストのイグナツ・リシェツキ氏によるオールシマノフスキプログラム。

リシェツキと聞くと、まずイケメン人気ピアニスト、ヤン・リシェツキを思い浮かべる方がいらっしゃるでしょうけれど、こちらは‘イグナツ’です。

イグナツ・リシェツキは、現在国費留学生として、芸大で指揮を高関健先生に学んでいます。本業はピアニストで、ショパン音大のパレチニ教授クラス卒業。ピアニストの山本貴志さんとほぼ同級でしょうか。

さてオールシマノフスキプログラムとは、想像するだけで恐ろしいものがあります。

1曲とて易しい曲はないシマノフスキ作品。

私は、組曲『仮面』、4つの練習曲作品4、ポーランド民謡による変奏曲作品10、マズルカ作品50より第1集1,2,3,4. 第5集17,18,19,20を弾きましたが・・・

仮面の第1曲『シェヘラザード』を譜読み始めた時は、はたしてこの曲をインテンポで弾ける日が来るのだろうか……と、ほぼ気持ちはくじけ、暗澹たる気分になったものでした。

しかし人間やればどうにかなるもの、インテンポで弾ける日は、幸いにして来たのでした。

しかし、めげた曲もあります。組曲『メトープ』の第1曲は、途中の2小節で放りました。

さて、澤先生とリシェツキ氏のプログラムは…..、

『ヴァイオリンソナタ作品9』『前奏曲作品1より 8番』『マズルカ3曲』『神話~ピヴァイオリンとピアノのための3つの詩曲 作品30』『ロマンス 作品23』『夜想曲とタランテラ 作品28』です。

これだけのプログラムを準備するのは、かなり大変だったに違いありません。さすがにすべて譜は見ての演奏でした。

前期、中期、後期の作風の違いが描き出され、また、難曲揃いであることを忘れるほどになめらかで、かつ勢いのある演奏。

ショパン後のポーランドの音楽はどこへ向かったか、シマノフスキの価値を改めて認識できたコンサートでした。