まゆちゃんはこの4月から中学生です。まじめで頑張り屋さん。いつもしっかりレッスンの準備をしてきます。ホント、まゆちゃんのような生徒さんには表彰状を上げたいくらいです。

今弾いているのは、練習曲とバッハシンフォニア、そしてシューベルトの即興曲Es-durです。

練習曲はチェルニー40番をやっていました。『譜読み→暗譜』を毎週よくこなしてくるので、譜読みをすることが楽しみなようだったし、私も聴くのが楽しみでした。

ですが・・・

チェルニー40番も後半に入ると徐々に本格的に難しくなってきます。

何かの割れ目から水が浸み出しているのをわずかながらに気がつくように、レッスンを始めた当初に、すでに手や指の使い方に問題がありそうだと感じていました。それがいよいよ、曲の難易度が上がるにつれて、音のクリアさや精彩に欠ける部分がはっきりみえてきました。

まゆちゃんはピアノが好きで地道な努力ができるので、私も上達して欲しいと心から願い、一大決断をして、フェルマータ!つまり一旦立ち止まることにしました。

手と指の形の改革に、本格的に取り組むことにしたのです。

どういうことをしたか、まゆちゃんと私(お母様も)の取り組みを順番に書いていきましょう。

まず専門家にアドバイスを求めるため、そういった分野を熱心に研究していらっしゃる先生のところで、手の形を整えるためのレッスンに臨みました。

音を出さずに行うこの類のレッスンは、今に始まったことではなく、私が大学生の頃には、御木本先生が手に重りをつけて指を鍛えるレッスンを行い、私は行かなかったけれど、熱心に通っていた友人はたくさんいました。

世紀を越えてもっともっと昔には・・・

なんとショパンの時代に、ショパンがパリに出てまず最初に挨拶に行ったピアニスト、カルクブレンナーが、手導器guide-mainを1831年に考案?して世に紹介しています。多くのピアニストが使用して、ビジネスとしても成功させたのでした。かのサン・サーンスですら、小さい頃に使って練習したというのだから驚きです。

これはどういう器具かというと・・・

木の棒を2本ピアノの前に固定して、その棒の上に腕をのせて、余計な手や腕の動きをなくして、その棒の上で腕を休ませながら弾くというものです。縦には手がほぼ動かないようにします。極端な言い方をすれば、手と指の動きだけで弾くこと強制する器具でしょう。

こちらの写真は、ワルシャワのショパン国際コンクールで展示されていたカルクブレンナーが使用したミュート鍵盤や、その他当時の手の訓練器です。

吊り輪状態の、指を鍛えることそのもの器具。なんとも恐ろしや~ですね。

このカルクブレンナー大先生は、当時パリ国立音楽院の大教授であり、最高に尊敬を集めるピアニストでしたが、いばり過ぎたエピソードと話題をどれほど提供してくれていることか。かなり笑いを誘うものではあります。

ショパンには3年間自分のもとで修行するようにと進言しましたが、ショパンは悩んでワルシャワの父親やメンデルスゾーンにも相談をしましたが、結局丁重に辞退ました。

その2に続く