昨年生徒さんたちが様々なコンクールを受けたり、マスタークラスを受講しました。

年末には、生徒さんの中で一番チビちゃんのまぁくんがバッハコンクールにチャレンジ!

まぁくんは年中さん。まぁくんの後にレッスンに来るあやえちゃんにお手紙を書いて渡してあげたり、私にも時々カードを書いてくれたり!可愛くて素直で、そしてなかなか頑張り屋くんです。毎週必ず進歩があって、お家できちんと復習をしていることがわかります。

まだ年中のまぁくんにコンクール出場を勧めたのは、いくつかの理由がありますが、まずは、8小節程度の曲を両手で弾くことができるまでにステップアップを目指すことでした。

まぁくんの普段のレッスンでは、ソルフェージュを取り入れて、8小節程度のメロディを一緒に歌い、同じく8小節のリズム叩きもします。最近では3種類くらいのリズムのコンビネーションも、ほぼスラスラ叩けるようになりました。

弾く方は、トンプソン導入書の「小さな手のためのピアノ教本」を進めています。右手左手代わるがわる弾きつなぐ、短い曲が主です。

ただ、どうも手の形がまぁるい型をキープできなかったり、曲としてまとまってこない状態が続いていました。つまり、弾けたような、しかしちゃんとは弾けていないような・・・いわばそんな状態です。小さいまぁくんは、まだ曲を仕上げるとはどういうことか、イメージとして掴めていないようでした。

両手で、一定の速さで、拍子を感じながら、メロディを上手くまとめる。それがどういうことか一度わかれば、必ずステップアップできるはずです。

さて、コンクールで弾く課題曲から選曲するにあたって、バランスのよいポリフォニーの曲がよかったので、三善晃ピアノメソード第2巻、練習曲15「なかよし りょうて」を選んで練習を始めました。小さな曲といえども、なにせ、まぁくんにとって最初から最後までずっと両手で弾くのは、初挑戦です!

まもなく4小節が両手で弾けるようになりました。後半の左手が動く4小節は、少し時間がかかりましたが、こちらも弾けるようになりました。でも、手の形が途中で悪くなって、むむ~っと私が唸ることしばし。

それでも確実にレッスンのたびに何かしらの進歩があり、12月前にはまとまりよく弾けるようになったのでした!

大きな進歩!!大きなステップアップ!! まぁくん、えらかったね。

バッハコンクール予選船橋会場では審査をお引受けしていたので、当日まぁくんが弾くのを耳をそばだてて聴きました。

聴きながら、これならよしっ!と隣の角野先生に気づかれないように、心の中でちょっとバンザイをしてしまいました。

それにしても・・・つくづく思うのは、子供のコンクールは本人とママ(保護者)の二人三脚だということ。そして先生とのトライアングルもですね。

コンクールを受け慣れている子たちは、ステージマナーもきれいで、目の光に力があり、恐らくこれは意図してなのだと思いますが、遠くに座っている審査員の目を射るように見てお辞儀をします。「どうぞ聴いて下さい。」と目で語りかけてきます。

音色も選び、自分の言葉でメロディラインを雄弁に語るので、音に光が宿るのです。

年齢や体格に関係なく、そういった演奏には惹きつけられます。練習を積むことで得る自信が音楽に表れ、聴く人がそれをキャッチするのですね。

まぁくんは弾き終わった後のご挨拶の時には、にっこりと嬉しそうな表情で、気持ちの緊張がやっとほどけたようでした。その後も、客席で他の出場者が弾くのを聴いていました。コンクールで弾いた後は、すごく感じ取りやすくなっているので、大いに聴いていってほしいです。

今回の挑戦で、初めの一歩としてまぁくんなりの大きな進歩があり、「演奏力!最初の第一歩」をつけることができました。これから自分の音で語れるまでになって欲しいな・・・と思います。

この日、審査に臨んで、バッハの様々な演奏形態や解釈を聴くことができました。ピアノという楽器の敏感さ!それを特に感じるところがありました。

音の追及やタッチ、分析力、構成力、そして創造的な感覚の違いで、バロック時代のシンプルな書法の曲でも驚くほど違いがでるものですね。

ともすれば周囲には、結果や門下から何人本選に行ったかということだけを、まるでニュースの材料のように扱う人々がたくさんいます。数と話題性に群がる人々。そういう環境の中ではじっくり曲と取り組むことはできないのです。

話題性も大切でしょうけれど、それは泡のようにはかないもの。

音楽を何より愛し、音楽に仕える身だという謙虚な気持ちを持って、この2017年をスタートすることにしたいと思います。